苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

エルトゥールル号の恩義



 昨日に続いてトルコと日本の話。1890年9月16日、トルコ艦船エルトゥールル号和歌山県串本の沖合いで遭難沈没した。失われた生命は581名。だが、村民たちの懸命の救助活動によって69名の人々が助けられた。この遭難事件は全国に報道されて日本全国から同情と義捐金が寄せられ、かつ、日本政府はトルコ人69名を日本の艦船に乗せて、トルコの首都イスタンブールに送り届けた。これが日本とトルコの近代における友誼の始まりであり、トルコ人でこのエルトゥール号遭難事件で日本から受けた恩義を知らぬ人はまずいないという。
 1985年勃発したイラン・イラク戦争の折り、邦人のテヘラン脱出に際して日本政府の対応は遅れた。当時、自衛隊機の海外派遣は許されないという事情があり、日本航空が安全が保障されない空に飛行機は出せないとしたためである。日本の窮状を受け止めたトルコ大使はただちに本国に連絡したところ、トルコ政府は航空機をテヘランに派遣して215名の邦人救出をしてくれた。その際、トルコ大使は言っという、「エルトゥールル号の恩返しをさせていただきましょう。」と。