小麦のリース。収穫の季節ペンテコステを記念します。リース工房yutorieさん（http://yutorie.exblog.jp/）より。
５．キリストの職務
（１）仲保者
受肉より前の｢神のかたち」である御子は、創造と摂理においては神と被造物の仲保者としての役割をになわれた。
「すべてのものは、この方によって造られた。造られたもので、この方によらずにできたものは一つもない。」（ヨハネ1:3）
「なぜなら、万物は御子にあって造られたからです。天にあるもの、地にあるもの、見えるもの、また見えないもの、王座も主権も支配も権威も、すべて御子によって造られたのです。万物は、御子によって造られ、御子のために造られたのです。」（コロサイ1:16）
格別、被造物のかしらである人間の範型となられた。
「神は人をご自身のかたちにおいて創造された。神のかたちにおいて彼を創造し、男と女とに彼らを創造された。」（創世記1:26,27私訳）
さらに、受肉後、御子は無限な神性の上に有限な人性をまとわれることによって、救済においても神と被造物の仲保者の役割を果たされた。
人となった御子キリストは第二のアダムすなわち人類の代表として、一つの義の行為によって信じる全ての者が義と認められ、いのちを得るようにした。
「神は唯一です。また、神と人との間の仲介者も唯一であって、それは人としてのキリスト・イエスです。」（1テモテ2:5）
「こういうわけで、ちょうどひとりの違反によってすべての人が罪に定められたのと同様に、ひとりの義の行為によってすべての人が義と認められ、いのちを与えられるのです。」(ローマ5:18)
（２）仲保者の三職二状態
アダムの堕落によって人は「神のかたち」であるキリストから、はなはだしく遠ざかってしまった。それが、キリストにあってどのように新創造されるのかについて新約聖書の二書は次のように述べている。
「新しい人を着たのです。新しい人は、造り主のかたちに似せられてますます新しくされ、真の知識に至るのです。」（コロサイ3:10）
「またあなたがたが心の霊において新しくされ、真理に基づく義と聖をもって神にかたどり造り出された、新しい人を身に着るべきことでした。」（エペソ4:23,24）
「神のかたち」については多くの側面があり、一冊の本となっているほどであるが、特に職務に関することについていえば、この二箇所を根拠として、知識と義と聖と表現される。預言者は神から預かった真理の知識を世界に教えるという職務である点で特に知識と関係し、王は義をもって神から託された世界をさばくという職務である点で特に義と関係し、祭司は聖なる祭壇に仕え世界のためにとりなす職務であるという点で聖と関係する。神と被造世界の仲保者の三つの役割が、預言者・王・祭司なのである。
キリストは被造物との関係において、これら預言者、祭司、王というこの三つの職務を務を低い状態と高い状態において遂行された。低い状態とは、受肉から死に至るまでの状態を意味する。「キリストは神の御姿である方なのに、神のあり方を捨てられないとは考えず、ご自分を無にして、仕える者の姿をとり、人間と同じようになられました。人としてのご性質って現れ、自分を卑しくし、死にまで従い、実に十字架の死にまでも従われました。」（ピリピ2:6-8）
高い状態とは、復活･召天・着座を意味する。「それゆえ神は、この方を高く上げて、すべての名にまさる名をお与えになりました。それは、イエスの御名によって、天にあるもの、地にあるもの、地の下にあるもののすべてが、ひざをかがめ、すべての口が、「イエス・キリストは主である」と告白して、父なる神がほめたたえられるためです。」（ピリピ2:9-11）
キリストは、低い状態における預言職を福音をこの世で宣教することによって遂行され、高い状態における預言職を召天･着座されて教会に聖霊を与えて聖書を完成に導き、教会にみことばの教師を立てることによって果たされる。
キリストは、低い状態における王職を荊冠をかぶり、葦の王勺を握り、十字架の受苦によって悪魔と戦ってご自身の民を救うことをもって遂行され、高い状態における王職を教会役員を立てて教会をみことばによって行なうことによって遂行される。
キリストは、低い状態における祭司職をご自身を犠牲として神にささげることによって果たし、高い状態における祭司職は御父のもとで私たちのためにとりなしてくださることによって遂行される。
キリストは、低い状態における預言職を受肉して地上で宣教をすることによって果たされ、高い状態における預言職は昇天･着座されて、教会の教師たちを立て、真理の御霊を派遣して御旨を啓示される。また聖書の啓示に関しては旧約聖書･新約聖書ともに御霊をもってこれを啓示された。
キリストは、教会とキリスト者に、ご自身の預言職・祭司職・王職の一部を委ねられた。詳細は教会論において。
