小海、大海の形成について調べるうちに、平安時代、仁和の大地震(887年8月22日)のプレート境界型巨大地震による天狗岳山体崩壊が原因であったと知って、あらためて山をも崩す巨大地震のエネルギーの大きさにあきれてしまった。今回、カリブ海のハイチを襲ったのもプレート境界型である。(追記:最近は天狗岳山体崩壊には水蒸気爆発がともなったという旧説がよみがえっている。)
過去日本列島を周期的に揺らしてきた地震は、駿河湾から鹿児島沖合いにかけて存在する南海トラフ(海底の巨大なくぼみ)の活動によって起こるのだそうである。南海トラフは小松左京『日本沈没』で有名になったように、太平洋プレートがユーラシアプレートの下にもぐりこんでいるという場所である。
この南海トラフによるM8級の巨大地震が日本列島を周期的に襲ってきたことが、地質調査と古文書によって確認されている。リストアップするとつぎの通り。
684年(天武)
間隔(203年間)
887年(仁和) *八ヶ岳天狗岳崩壊と小海・大海形成!
(212年間)
1099年(康和)
(262年間)
1361年(正平)
(137年間)
1498年(明応)
(107年間)
1605年(慶長)
(202年間)
1707年(宝永)
(147年間)
1854年(安政)
(90〜92年間)
1944年(昭和)1946年(昭和)
東海地震がとくに有名で警戒されるのは、1944年、46年に南海と東南海は地震が起こったのに、東海だけが地震が起こらなかった分、エネルギーが蓄積されていると考えられているからである。
今は2010年であるから、東海に関しては安政から数えるとすでに150年以上経っている。東海地震は明日起きてもおかしくはない。そこに浜岡原子力発電所が稼動している。