苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

向学心

 最近、はじめてNHK高校講座で世界史、地学、数学の番組を見た。我が家にはテレビはないのだが、インターネットで講座内容が4月からの毎週の講義が公開されているのである。数学は教え方が非常に洗練されていて、わかりやすく、おもしろい。地学は東京天文台助教が出てきて、石垣島などに出張して星空をながめたり、望遠鏡を操作したりする姿も出てきて興味深い。世界史は東大の教授が出てきて、国家の問題について本質的なことを話していた。「共和制であるからといって、民主主義的とはかぎらないところが、世界史のむずかしいところです」というような話は、通り一遍の教科書には書かれておらず、大学の講義にでも連ならねば聴けないことばであろう。どの科目も、教える先生たちが、その分野に打ち込んでいらっしゃる方たちであることが伝わってくる。こんなにすばらしい教材が無料で公開されていることを今頃知って、NHKを見直した。
 貧しい家に生まれたけれど、向学心やまぬ少年が、塾の窓の下で聞き耳を立てて授業を聞いて勉強をしたという偉人伝を、子どもの頃読んだことがある。今の日本では、向学心さえあれば、相当のことが勉強できる。資格の取得のために高校や大学に行くというのではなく、純粋に学びたいという人には多くの門戸が開かれているのである。なんだか、今の日本を見直してしまった。