苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

読書

遅塚忠躬『フランス革命―歴史における劇薬』

遅塚忠躬『フランス革命ー歴史における劇薬』という本を読んだ。何十年ぶりかに読んでみると、よく書けているなあという感想。 「劇薬」というのは、効能がある代わり恐るべき副作用があるという意味である。フランス革命は「自由・博愛・平等」というスロー…

聖書そのものを読むこと

神様は、聖書各書が書かれた同時代の言語・文化を器として、これにメッセージを載せて啓示をお与えになりますから、その同時代の言語・文化について理解を深めることは釈義をする上で有用である場合があることは、当然でしょう。しかし、では当時の言語や文…

『私は山に向かって目を上げるー信州南佐久における宣教と教会開拓ー』

5月末に出版された『私は山に向かって目を上げるー信州南佐久における宣教と教会開拓』は、アマゾンのキリスト教神学売れ筋ランキングに何度か取り上げられていますから、多くの読者を得ているようで感謝しています。今回「はじめに」の箇所を紹介しておき…

牧田吉和先生による書評『私は山に向かって目を上げるー信州南佐久における宣教と教会開拓ー』

元神戸改革派神学校校長、現在、日本キリスト改革派宿毛伝道所牧師である牧田吉和先生が、小著の書評を書いてくださいました。たいへんありがたい書評です。『舟の右側』にはすでに掲載され、『本のひろば』にも掲載予定なのだそうです。 本書は他に類を見な…

もしアダムが堕落しなかったとしても、キリストは受肉したであろう―中村穣『信じても苦しい人へ』

1.もしアダムが堕落せず、十字架においてアダムとその子らの罪を償う必要がなかったとしても、キリストは人となられたことだろう。それは、神が創造において目指しておられた究極の神の王国の完成という目的があるからである。 神の王国の完成について、ロ…

神学読書会一冊目完了

昨年7月から毎週火曜日の晩に、教会の兄弟姉妹たちとオンラインで続けてきた『新・神を愛するための神学講座』読書会が、昨晩で終わりました。参加者はそれぞれに手ごたえや感動を、毎回得ているようで楽しいときでした。

明治維新と英国

ダイレクト出版の西鋭夫『新説・明治維新』という本を手に入れて読みました。 書かれていることは、開国・明治維新は英国の世界戦略の一部であったこと。英国はアヘン戦争のように自国の兵士を消耗するのを避けるために、薩長と幕府を対立させる方法を取った…

『私は山に向かって目を上げるー信州南佐久宣教と教会開拓の記録―』は5月末に

『私は山に向かって目を上げるー信州南佐久宣教と教会開拓の記録―』は表紙も決定したので、5月末に印刷が上がる予定です。表紙と題名は迷いに迷って、いろいろ探した結果、落ち着くべきところに落ち着いた、という感じです。 付録として『新・神を愛するた…

近刊『私は山に向かって目を上げる -信州南佐久における教会開拓の記録-』

昨日、私は満65歳になりました。神様が、この地上であと何日、何年歩みなさいとおっしゃっているのかはわかりませんが、いつ主が来られてもよいように、福音のために一日一日生きて行ければなあと願っております。 今、南佐久郡開拓伝道の記録の本を作ってい…

生ける神を愛するための生きた知識  

北総大地キリスト教会会員の永瀬哲也兄が、『新・神を愛するための神学講座』の書評を書いて送ってくださいましたので、ここに掲載させていただきます。要望されている事項索引は、出版のときに作ろうかなと思って手を付けたのですが、とても面倒な作業で断…

予告『わたしは山に向かって目を上げる—南佐久郡開拓伝道の記録と考察―』

『舟の右側』誌から求められて、『わたしは山に向かって目を上げる—南佐久郡開拓伝道の記録―』という連載を1年間して来て、最終回が終わりました。すると、「まとめて加筆して本にしましょう」ということになり、今、その原稿をまとめています。見開き2ペー…

キリスト論を書くのが一番むずかしかった

『新・神を愛するための神学講座』を書いていて、一番むずかしいと感じたのは、キリスト論だった。多くの牧師たちがそうであるように、私がもっとも多くの説教をしてきたのは福音書であるのに、そこに記されたキリストについて考えて表現するのが一番むずか…

加藤常昭『説教への道ー牧師と信徒のための説教学―』

加藤常昭牧師の『説教への道―牧師と信徒のための説教学―』を読み始めました。平明に深いことを教えている良書です。その副題の通り、牧師も信徒も読むべき本だと思います。その願いのために価格が1600円と抑えられています。著者はきっと印税取ってませんね…

加賀乙彦『殉教者』

江戸時代初期、日本人として初めてフィリピン―マカオ―マラッカーゴア(インド)-ホルムズ海峡―バグダードを経て―エルサレムに巡礼し、その後ローマで司祭となって、江戸幕府による切支丹弾圧の嵐が吹き荒れる日本に戻り、九州から潜入して、東北の水沢で宣…

牧田吉和先生による書評『新・神を愛するための神学講座』

書評:水草修治著 『新・神を愛するための神学講座』(地引網出版 2022年1月) 本書は、夕礼拝の「教理説教」に発し、その後の信州小海における開拓伝道と教会形成、さらには苫小牧での伝道牧会の中で育まれ、30年を要して結実した書である。「神を愛する…

山口陽一先生による書評『新・神を愛するための神学講座』

友人の山口陽一先生が書いてくださった書評です。「舟の右側」誌掲載のものです。アマゾンで手に入ります。 「要するに」が口癖の水草先生は、煩雑な議論を咀嚼してまとめてくれるので、ややこしいテーマも、スッと理解できて、ありがたいことこの上ありませ…

『新・神を愛するための神学講座』聖句索引B6版

『新・神を愛するための神学講座』の聖句索引を本と同じB6版にしました。本に挟んでご利用ください。こちらの、左上から4つ目をクリックすると、すぐダウンロードできます。https://moriaogael.wixsite.com/tolovegod/about-me

御子の創造における仲保者性について

牧田吉和先生が、クリスチャン新聞に、『新・神を愛するための神学講座』の書評を書いてくださいました。牧田吉和先生は紹介するまでもないかもしれませんが、現在、四国にある改革派宿毛教会牧師で、長く元神戸改革派神学校校長を務められました。先生は著…

『新・神を愛するための神学講座』引用聖句索引

『新・神を愛するための神学講座』の引用聖書箇所索引を、同労者が作ってくれました。↓こちらからダウンロードできます。プリントアウトもご自由に。 https://1ab4c85d-7ef5-40e3-b99d-780b70ac09e5.filesusr.com/ugd/2a2fcb_2a36fa318608427287ee13506dbc21…

胸をなでおろす 

数日前、今回『新・神を愛するための神学講座』を地引網出版から出した第四の理由として「応援したくなりました」と書きました。それは事実なのですが、もし売れなかったら、応援どころか出版事業の足を引っ張ることになるので、ひやひやしていました。この…

地引網出版

今回、『新・神を愛するための神学講座』を地引網出版から出したことについて、「なぜ?」と聞かれることがあります。そう聞く方はたいてい「あれはペンテコステ系で、水草さんとは系統が違うんじゃないですか。」という含みを持って、そう言われるようです…

山口陽一先生からのコメント2つ

『新・神を愛するための神学講座』出版にあたって、東京基督神学校以来の友人山口陽一牧師(東京基督教大学学長)が、コメントを寄せてくださったので、ここに転載しておきます。山口先生は、かつて同盟基督教団徳丸町キリスト教会の牧師でした。今回の出版…

朝岡勝 「神を愛するために神を知る 『新・神を愛するための神学講座』に寄せて」

昔、大学生時代に出会ったころ、わんぱく盛りの小学生で、昨年春まで同盟基督教団徳丸町キリスト教会牧師、現在、同盟基督教団理事長、東京基督教大学理事長を務めている朝岡勝先生が推薦文を書いてくださいました。あのころリンゴ病にかかって二段ベッドの…

『新・神を愛するための神学講座』ができました。

予告してから、だいぶ時間がかかりましたが、ようやく出版にこぎつけました。神様を求めている人には、役に立つと思います。はしがきを掲げておきます。アマゾンで手に入ります。 新・神を愛するための神学講座 作者:水草 修治 地引網出版 Amazon ーーーーー…

イエス様のユーモア

今日、病院の待合で内田先生の『イエスの生涯―エゴーエイミ』を読んでいて、この上なく聖書に忠実に書かれている素晴らしいイエス伝であることに変わりはないけれど、ちょっと真面目過ぎるかなあ・・・。 福音書を読んでいると、イエス様はときどき面白いこ…

内田和彦『イエスの生涯、エゴーエイミ』

内田和彦先生の『イエスの生涯、エゴーエイミ』を読んでいます。かなり前に出た本で、読まなくてはと思いながら、読まないまま来ていました。 イエス伝、キリスト伝はいろんな人が書いて、「最新の学識」やら文学者の空想やらを使って、好き勝手なことを言っ…

鈴木範久『日本キリスト教史物語』

およそ五百年前、キリスト教は日本に入った。その扱われ方から、次のような変遷があったと著者はいう。これはなるほど。 1 異神 1549-1587 1549年はザビエル来日 2 邪宗門 1587-1859 1587年は秀吉によるバテレン追放令 3 耶蘇教 185…

牧田吉和先生の『改革派神学入門 改革派信仰とは何か』

昨年秋、北海道聖書学院に特別集中講義においでいただいた牧田吉和先生の『改革派神学入門 改革派信仰とは何か』を読みました。先生が、ご自分が書いた本の中で一番読んでほしいと思う本だとおっしゃっていたものです。 「人のおもな目的は神の栄光をあらわ…

ビアトリス・ゴームリー著『C.S.ルイス「ナルニア国」への扉』

『ナルニア国物語』の作者C.S.ルイスの伝記である。アイルランド、イングランド、スコットランドの風景、第一次世界大戦、第二次世界大戦という歴史的背景のなかで、幼いころからの無神論を捨てて、「神も悪魔も実在すること」に気づき、オクスフォード、ケ…

書評:赤江弘之『私なりの「主のいのり」』

赤江弘之牧師のご著書の書評です。出版社からの許可が出たので、先行公開します。 教会を建て上げる「主の祈り」 「主の祈り」の講解は数ありますが、本書は他に類を見ない「主の祈り」講解説教集です。そのユニークさは「独りよがりの」という意味でありま…