苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

読書

ジェームズ・ダン『パウロ神学』を読み始めました

先週半ば油断して風邪をひいてしまい、治ったかなと思ったら、なかなかすっきり治りません。熱が出ないので、おとなしくしていないから治らないのかもしれません。そこで、昨日は、家にいておとなしくジェームズ・ダン『パウロ神学』を読み始めました。 ダン…

大村大次郎『脱税の世界史』

著者が書いていることは、世界史に名を刻んだ大国は富裕層から税金を徴収することに失敗すると国民の間に格差が生まれ、最終的に国が衰退していってしまうという話である。格差が拡大すると、短期的には庶民にお金がないので内需が冷え込んで景気が悪化する…

キンドル版新改訳2017

新改訳2017をキンドル版で通読しています。パソコンで読みながら簡単にコメントをつけて行けるので、自分なりのコメンタリーが出来ていくようで楽しい。また、パソコンなので、字が大きいのでうんと楽です。 ただし、聖句をさがすにあたっては、「何書の…

牧田吉和『改革派教義学7 終末論』

家内が誕生日に贈ってくれた牧田吉和『改革派教義学7 終末論』を読み終えた。改革派組織神学的な思考のあり方というもののお手本のような論述だった。という意味は、一つには聖書の行くとことまでは徹底的に思いめぐらして行き、聖書が立ち止まる所で立ち止…

『失われた歴史から』がamazonで

『失われた歴史からー創造からバベルまで』がAmazonで手に入るようになりました。

『失われた歴史からー創造からバベルまで』が出ました

拙著『失われた歴史からー創造からバベルまで』が出来上がって、今さっき届きました。新書版217ページ。きれいな装丁にしてくださいました。価格は1100円 中身は、創世記1章から11章の話題を取り上げつつ、聖書全体に啓示された神様のご計画を説いたものです…

ドイツ人の魂

小塩 節先生の「人の望みの喜びを」から。 さて、その直後ミュンヒェンにもどり、日本から訪ねてきたある知人の頼みで、プロテスタント教会の日曜日の夕拝に出かけた。夕拝を守るところは少ない。やっと探しあてたのは人影もない裏通りの、ふつうの建物の中…

吉村昭『プリズンの満月』

私は学生時代のようには小説を読まなくなってしまったが、十年ほど前から吉村昭さんの作品だけは好んで読んできた。その無駄な装飾をいっさい削ぎ落し、克明に誠実に歴史の事実に基づいて書くことに努める文体が好ましい。 『プリズンの満月』は、先の大戦後…

目からウロコ?それとも・・・ウォルトン『創世記1章の再発見』と進化論   

ウォルトンは、創世記1章の7日間の創造記事の「日」は24時間であると読む。また「無からの創造」の教理も支持するという。けれども、彼は進化論を支持している(p198)。そんな芸当がなぜ可能なのか。 それは、「創造の七日間」は、すでにあったもろもろの被…

O.P.ロバートソン『契約があらわすキリスト』出版!

以前にもこのブログに紹介したO.P.ロバートソン『契約があらわすキリスト』が出版され、手に入るようになりました。神様が、ご自分の恵みとまことにかけてご自分の民に対して結んでくださった契約を軸として、創世記からヨハネ黙示録までの流れを鳥瞰する本…

三浦綾子文学の講演会

三浦綾子文学記念館の館長さんが苫小牧のアイビープラザ(文化交流センター)に来て、本日、講演をしてくださいましたので、H兄と一緒に聞いてきました。会場には80名か90名集っていて満席でした。年齢的には還暦以上という感じでした。館長さんは1970年生ま…

ノアとカルヴァン

創世記から、神学校(HBI)チャペルの準備をしていて、カルヴァンが『綱要』の中で、ノアの苦労についてしるしたくだりと、ジュネーブからの再招聘に関してしるしたファレルへの手紙の表現が重なっていることに気づきました。「ノアは生涯の大部分のときを方…

谷川直子『私が誰かわかりますか』

千歳―羽田の往復で読みました。 都会生活をしていた一人の女性が、田舎に住む男性との再婚を機に、思いがけず「長男の嫁」というむかしながらの世間の目のきびしい立場に置かれて、義父の介護をしていく、いわゆる介護小説です。私も22年間、山奥に住んでい…

O.P.ロバートソン『契約があらわすキリスト』出版間近!

35年前の神学生時代、「創世記から黙示録まで一貫する神のご計画をどのように読み取ればよいのだろうか。その鳥観図を得てこそ、各巻・各部分の正しい位置づけと解釈ができるだろう。」という願いをもっているなかで、 The Christ of the Covenantsに出会い…

谷川直子『世界一ありふれた答え』

この本の内容は重く厳しくつらい内容なのですが、ちょうど、あの青い海に砂浜にたたずむ白い傷んだピアノの表紙のように、決して重苦しくはなくてかえって心洗われていくような感想をもちました。それは、現実の自分に向き合っていこうとする主人公の誠実な…

お知らせ「新・神を愛するための神学講座」連載スタート

「舟の右側」6月号から、「新・神を愛するための神学講座」の連載が始まります。前の「神を愛するための神学講座」は絶版になって20年ほどたちます。その後、教えられて来てみなさんにぜひお伝えしたいことがあり、また、そろそろ向こうからお呼びがかかるよ…

「幸福の王子」

(ウォルター・レインによる) 小学生たちが今日は8人わーっと嵐のようにやってきた。先週の6人に2人の新人が加わっている。ドラムをたたいたり、ピアノを弾いたりして大騒ぎしていたが、そうだと思いついて、「紙芝居を見る人!」と言ったら一人をのぞい…

辺見じゅん『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』

先の敗戦後、ソ連軍は1945年2月米英とのヤルタ協定に基づき、日ソ不可侵条約を一方的に破棄して、対日参戦して満州に侵攻した。ソ連軍によってシベリヤに抑留された人々は57万5千人。氷点下30度を下る極寒の中での強制労働によって失われた生命は、厚生労働…

新改訳2017

ついに新改訳2017を手に入れて読み始めました。遅いですよね。聖書を食べるように読む下川友也先生が、第一刷に誤字・脱字は見当たらないなあとおっしゃったからです。 紙がクリーム色で質もよくなりました。 旧約聖書の「つぶやく」が「不平を言う」と…

保坂正康『崩御と即位』

お正月に古本屋でふと見つけた保坂正康『崩御と即位ー天皇の家族史』という本は読み応えのあるものでした。孝明、明治、大正、昭和そして平成の天皇の崩御と即位の時期にフォーカスを絞って、ていねいに史料を読み解きながら「時代が天皇をつくり、結果的に…

出村和彦『アウグスティヌス』岩波新書

大学院時代の先輩の出村さんが、岩波新書からアウグスティヌスの生涯をていねいに平明な文体で描く本を出されました。アウグスティヌスというのは、古代教父(教会の父の意味)として代表的な人物です。『告白』で有名で、私も大学時代にわからないながらも…

吉村昭『関東大震災』

吉村昭『関東大震災』を読み終わりました。二人の地震学者の地震予知をめぐる確執、22万人余の死者と、その莫大な死体の処置の混乱。人心の動揺、朝鮮人虐殺、甘粕事件と社会主義者弾圧、悪徳商人による物資買い占めと暴動、糞尿の処理ができないことによる…

内田樹『寝ながら学べる構造主義』

構造主義に関する入門書。だが、入門書こそ本質的な内容が書かれているものなのだという意気込みで書かれている。おもしろい。 構造主義とは、要するに、「相撲は番付で取る」ということだと納得。

谷川直子『世界一ありふれた答え』

高校の一年後輩、大学時代の友人の小説です。ウツとの闘いというつらいことがらを描きながら、不思議に清々しい文体と作品。 誠実に現実に向き合うことの困難さ、しかし、誠実に現実に向き合うときに起こってくる癒し。私は、創世記3章のいちじくの葉のこと…

『真珠湾攻撃総隊長の回想ー淵田美津雄自叙伝』

教会の、もし生きていれば私の父ほどの年齢の方が貸してくださった本です。「トラトラトラ」の淵田美津雄氏が、戦後、クリスチャンとなって米国で活発に伝道旅行をしたということを私は初めて知りました。 第一部 その一日のために 第二部 トラトラトラ 第三…

藤本満『聖書信仰』を読み終えて・・・ポストモダンの効能と使用上の注意

本書は「聖書信仰」について、<宗教改革、17世紀プロテスタント正統主義、経験主義、合理主義とプリンストン神学、ファンダメンタリズム、戦前日本における聖書信仰、アメリカの新福音主義、第二世代のエリクソンとピノック、シカゴ宣言、聖書信仰を『生き…

「物語神学」の「物語」という用語の問題性

藤本満師『聖書信仰』続読。 「ジェラール・ジュウェットは、ストーリーとナラティヴを区別した。ストーリーは、実際に起こっている出来事の歴史的内容そのものであり、ナラティヴはその出来事を物語る文学的な言説である、と。歴史的な出来事としてのストー…

聖書解釈・・・普遍(類似)と個物(区別)との両方に注目すること

遅まきながら藤本満先生の『聖書信仰』を読んでいます。おもしろい本です。「新しいパラダイム」という章で、近代(モダン)の<理性と言語には文化や時代を超えた普遍性がある>という前提が壊れて、<理性も言語もある共同体のなかに限定される個別のもの…

中澤秀一『グローブから介護へ』(ヨベル出版)

好著です。家内は、リハビリでお世話になった先生ふたりにプレゼントするといって、アマゾンに2冊注文しました。 前半は、憧れの巨人軍選手までの道のりと挫折、その後職を転々としてさまよった7年間、そして老人ホームで天職と奥さんとキリストとの出会い…

聖書の権威の射程

ああ、まさにそうだと思ったことば。 「聖書も、徹頭徹尾宗教的であり、救済を目的とした神の言葉である。しかし、それゆえにこそ、聖書は、まさに家庭や社会、学問や芸術のための言葉でもあるのである。」 「聖書は学問や芸術にとっても道の光であり、足の…