苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

組織神学

教義体系の三類型

A.A.ホッジは、罪観は神学体系のアルキメデス点であると指摘し、罪認識の深浅によって、三つのタイプの神学体系が形成されてきたと指摘している。罪認識が徹底していれば恩寵救済主義となり、原罪を否定すれば自力救済説となり、罪認識が中途半端であれば神…

牧田吉和先生による書評『私は山に向かって目を上げるー信州南佐久における宣教と教会開拓ー』

元神戸改革派神学校校長、現在、日本キリスト改革派宿毛伝道所牧師である牧田吉和先生が、小著の書評を書いてくださいました。たいへんありがたい書評です。『舟の右側』にはすでに掲載され、『本のひろば』にも掲載予定なのだそうです。 本書は他に類を見な…

神学読書会一冊目完了

昨年7月から毎週火曜日の晩に、教会の兄弟姉妹たちとオンラインで続けてきた『新・神を愛するための神学講座』読書会が、昨晩で終わりました。参加者はそれぞれに手ごたえや感動を、毎回得ているようで楽しいときでした。

「神の子とする」恵み

昨日から斎藤五十三先生をお迎えしてHBI春の特別公開講座。テーマは<「神の子とする」恵みー宗教改革信条史における「神の子」概念再考ー>。 1992年春、結城晋次先生が仕えておられた横浜上ノ町教会でご奉仕に招かれてうかがったとき、大学生だった五…

近刊『私は山に向かって目を上げる -信州南佐久における教会開拓の記録-』

昨日、私は満65歳になりました。神様が、この地上であと何日、何年歩みなさいとおっしゃっているのかはわかりませんが、いつ主が来られてもよいように、福音のために一日一日生きて行ければなあと願っております。 今、南佐久郡開拓伝道の記録の本を作ってい…

生ける神を愛するための生きた知識  

北総大地キリスト教会会員の永瀬哲也兄が、『新・神を愛するための神学講座』の書評を書いて送ってくださいましたので、ここに掲載させていただきます。要望されている事項索引は、出版のときに作ろうかなと思って手を付けたのですが、とても面倒な作業で断…

健康診断

お正月5日目、午前中、年に一度の健康診断に行ってきました。精一杯、背筋を伸ばしましたが、身長が175センチを切っていました。縮んでいます。外なる人は衰えても、内なる人は日々新たにされる人生を神様からいただいていることは感謝なことですね。 で…

『新・神を愛するための神学講座』読者へ

拙著『新・神を愛するための神学講座』を読んでくださり、感謝します。 聖句索引と正誤表がこちらにありますので、ダウンロードしてご活用ください。 moriaogael.wixsite.com https://www.amazon.co.jp/%E6%96%B0%E3%83%BB%E7%A5%9E%E3%82%92%E6%84%9B%E3%81…

キリスト論を書くのが一番むずかしかった

『新・神を愛するための神学講座』を書いていて、一番むずかしいと感じたのは、キリスト論だった。多くの牧師たちがそうであるように、私がもっとも多くの説教をしてきたのは福音書であるのに、そこに記されたキリストについて考えて表現するのが一番むずか…

牧田吉和先生による書評『新・神を愛するための神学講座』

書評:水草修治著 『新・神を愛するための神学講座』(地引網出版 2022年1月) 本書は、夕礼拝の「教理説教」に発し、その後の信州小海における開拓伝道と教会形成、さらには苫小牧での伝道牧会の中で育まれ、30年を要して結実した書である。「神を愛する…

山口陽一先生による書評『新・神を愛するための神学講座』

友人の山口陽一先生が書いてくださった書評です。「舟の右側」誌掲載のものです。アマゾンで手に入ります。 「要するに」が口癖の水草先生は、煩雑な議論を咀嚼してまとめてくれるので、ややこしいテーマも、スッと理解できて、ありがたいことこの上ありませ…

御子の創造における仲保者性について

牧田吉和先生が、クリスチャン新聞に、『新・神を愛するための神学講座』の書評を書いてくださいました。牧田吉和先生は紹介するまでもないかもしれませんが、現在、四国にある改革派宿毛教会牧師で、長く元神戸改革派神学校校長を務められました。先生は著…

『新・神を愛するための神学講座』引用聖句索引

『新・神を愛するための神学講座』の引用聖書箇所索引を、同労者が作ってくれました。↓こちらからダウンロードできます。プリントアウトもご自由に。 https://1ab4c85d-7ef5-40e3-b99d-780b70ac09e5.filesusr.com/ugd/2a2fcb_2a36fa318608427287ee13506dbc21…

山口陽一先生からのコメント2つ

『新・神を愛するための神学講座』出版にあたって、東京基督神学校以来の友人山口陽一牧師(東京基督教大学学長)が、コメントを寄せてくださったので、ここに転載しておきます。山口先生は、かつて同盟基督教団徳丸町キリスト教会の牧師でした。今回の出版…

『新・神を愛するための神学講座』ができました。

予告してから、だいぶ時間がかかりましたが、ようやく出版にこぎつけました。神様を求めている人には、役に立つと思います。はしがきを掲げておきます。アマゾンで手に入ります。 新・神を愛するための神学講座 作者:水草 修治 地引網出版 Amazon ーーーーー…

新学期の準備

4月から北海道聖書学院でカテキズムのクラスが始まります。今年で二回目なんですが、最終学年の学生たちが対象なので、これまで学んできた聖書知識を現場で役に立つようにしたいという願いを持っています。 ところが、実際に10回だけですから、W小教理問答書…

牧田吉和先生「神の国の前衛としての説教と説教者」

牧田吉和先生を迎えての北海道聖書学院特別公開講座、『神の国の前衛としての説教と説教者』の一日目、午前中、先生の情熱に満ちた講義に、みなさんきわめて熱心に耳を傾けて聴いていました。 内容は、創造から終末の栄光の完成に向かって展開される神の王国…

ヘンリー・シーセン『組織神学』聖書図書刊行会

大学時代通った土浦めぐみ教会の午後5時から2時間ほどの夕礼拝は読書会だったのですが、その教材が当時は、この本でした。誰かが係りになって、順々に最初から最後まで引証聖句を丁寧に開きながら読み通しました。 私の最初の神学の教師は、神戸の増永俊雄牧…

相続人

このところ、聖書のいう救い、神の計画を理解するために「相続者」ということがもっとも重要な包括的概念であることが鮮明に見えてきました。キリストは世界の相続者であり、神がキリストのうちに聖徒たちを選び、召し、義とし、子とし、聖とするのは、共同…

牧田吉和『改革派教義学7 終末論』

家内が誕生日に贈ってくれた牧田吉和『改革派教義学7 終末論』を読み終えた。改革派組織神学的な思考のあり方というもののお手本のような論述だった。という意味は、一つには聖書の行くとことまでは徹底的に思いめぐらして行き、聖書が立ち止まる所で立ち止…

キリスト論の記述順序

遠くにいる息子が、昨日の晩に、北海道に来るというのを楽しみにしていたのに、帰って来られなくなって、がっかり。 それで遊ぶのをやめて、今朝から、『新・神を愛するための神学講座』のキリスト論の項をおおよそ書き上げました。組織神学というのは、結局…

北海道聖書学院入学試験

北海道聖書学院(HBI)の二次の入学試験が昨日ありました。今年入学の本科生は4名で、短期信徒コース2名となります。それから、聴講生がこれから加わります。 本科生は、牧師・宣教師をはじめ伝道職に就くことを目指す人のためのコースで最短3年間で卒業…

教会の任務

神を愛するための神学講座2に、「教会の任務」をアップしました。 http://d.hatena.ne.jp/koumiboxy/20160317/1458181895

神を愛するための神学講座 子とする恵みをアップ

神を愛するための神学講座2・・・子とする恵みをアップしました。 http://d.hatena.ne.jp/koumiboxy/20160221/1456050195

神を愛するための神学講座3権力に背を向けた人間(その3)をアップしました

http://d.hatena.ne.jp/koumiboxy/20151027/1445893901 「権力と技術」の問題をアップしました。

罪認識と神学の三体系

今日は福音主義神学会が東京で行われ、ルーテル学院大学の鈴木浩先生が「罪論」の話をしてくださるので、出かけたいと思っていたのですが、出かけられません。そこで、午前中、鈴木先生の論文と説教をいくつか読みました。そのなかで一番印象深いフレーズは…

神を愛するための神学講座2   人間以外の被造物について

http://d.hatena.ne.jp/koumiboxy/20150522/1432280243 ひさしぶりにアップしました。伝統的な組織神学ではあまり扱われない人間以外の被造物について、です。以前、このブログに載せた記事に筆を入れたものです。

神を愛するための神学講座2    人間の個性と聖霊の香り(3)

久々に、少しだけアップしました。 http://d.hatena.ne.jp/koumiboxy/20150504/1430712432

自然ではなく、被造物

「自然」ということばは、「おのずからしかり」と読み下すことができるように、誰かがどうかしたのでなく、おのずからそのような状態にあるという意味である。これはラテン語naturaの翻訳語として採用され、naturaはギリシャ語のphysisの訳語である。大辞林…

☆「神のかたち」であるキリスト

(この文章は「福音主義神学」41号掲載されたものです。自分としては、聖書理解と信仰生活にとって、たいせつで有効な論文だと思っていますので、読んでいただけたらうれしいです。すでにブログで似たことは何度か書いているんですけれども、これが決定版と…