苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

教会と国家

ローマ書13章:正常な国家権力の務め

昨日は悪魔の手先となってしまった国家権力について黙示録13章から概要を書いたが、それだけではアンバランスなので、国家権力の本来の務めについて啓示されたもうひとつのR13章から書いておく。 ローマ人への手紙13章<個人で悪に復讐してはいけない。かえ…

聖書と政治のこと

ある年配のクリスチャンがお電話をくださった。「いのちのことば」12月号の巻頭言を読まれて、「先生は、共産党みたいに、アメリカは日本から出て行けと思っているようですが・・・。」と問われたので、私は「そんな意図はありません。ただ現代の日本が置か…

マンガ 特定秘密保護法案がとおれば、どんな社会に?  

特定秘密保護法案がとおれば、どんな社会になりうるか?国会では、さまざまなケースに関する質問があるたびに、たいていは「それは特定秘密にはあたりません」などと個別に答えているが、実際に法律として施行されてしまえば、当局によって恣意的に拡大解釈…

共に生きるための国

9月の通信小海240号の第一、第二面に載せる文章です。 (霊泉寺温泉中屋旅館・清風楼) 上田から松本に向かう国道二五四号沿いにある霊泉寺温泉に出かけた。山あいに、まるで昭和三十年代のまま時が止まってしまったような風情の町に、ほんの数軒温泉宿があ…

第21回 信州夏期宣教講座に出かけてきました。

8月26-28日、毎年行なわれている信州霊泉寺温泉での信州夏期宣教講座に出かけてきた。霊泉寺温泉というのは、上田から松本へ抜ける道の途中にあるたいへんひなびた温泉地で、「昭和三十年代」を髣髴とさせるような場所である。今回で21回目を迎える講座で、…

教会と国家ついて、聖書から3点

1.新約時代、特定の国家の軍隊が神の選んだ「世界の警察」ではありえない。 新約時代には、福音は世界にひろがり、神の民は世界の諸民族・諸国家に広がりました。ですから、神が特定の国家に対して「聖戦」を命じるということは構造的にありえなくなりまし…

キリスト者の選挙の考え方について

今日は洗礼を受けたいという方との話のなかで、キリスト者は選挙において、どういう選択をすべきなのかを話題にしました。こういう考え方が絶対だとは思いませんが、私としてはこのように考えるのがよいのではないかと思います。 1.国家主義は国家の偶像化…

日本国憲法を私たち自身の憲法として獲得するチャンス

一夜明けて、参議院選挙の結果が出た。原発問題・TPP・憲法といった重大なことが争点として表に出ず、目先の景気のみが投票者の多くの関心事だったのかなあという結果である。東京都の山本太郎さん当選はよかった。がんばってほしい。 不満足なことも多い…

憲法20条  信教の自由・政教分離の歴史的意味

今日は信州宣教区の牧師会で、日本国憲法20条と自民改憲草案20条を勉強しました。いわゆる政教分離条項です。若手の3人が発表してくださって、話し合って勉強になりました。触発されて、いくつかメモしておきます。 第20条 [信教の自由] ① 信教の自由は、何…

国防権限法

堤未果『政府は必ず嘘をつく』を読んでいて、次の衝撃的な一節にぶつかった。 「2011年12月31日。アメリカの国民が年末休暇に入っている最中に、オバマ大統領は<国防権限法>に署名した。今後アメリカ当局は、裁判も告訴もなしに、法的救済無しで、いかなる…

国のあり方について(おまけ)・・・二つの自由主義

あるアンケート結果によると、米国人がもっとも大事にしていることは宗教であり、ヨーロッパ人がもっとも大事にしていることは自由なのだそうである。自由というのは近代ヨーロッパの基本的な理念なのである。近代市民革命は、自由を目指して行われた。それ…

国のあり方について・・・フランス革命と英国市民革命と天皇制

2012年12月25日〜31日掲載分に、新しく序をつけ、結論を差し換えました。順々に読んできてくださった読者は、序と結論だけでもお読みください。 序 神のみこころにかなう政治形態とはなんだろう。そんな意識をもって聖書を開いてみても、聖書には共和制がよ…

聖書眼鏡で見る「教会と国家」

2010年KGK夏季学校(MBC)での講義に加筆 <アウトライン> 序 愛国心の歴史的始まり 第一章 パウロに見る国家の権威と限界 1 パウロは国家の権威の意義を認め、ローマ市民権を活用して、ローマ宣教に行った。(使徒22:25−29、25:11,12) 2 国家の権威と限…

歴史教科書の恐ろしさ・・・民族と国家の始まり

*教育の恐ろしさ 教育というものは恐ろしいものだと、かつてある紳士と話していたときに思った。聖書の古さの話をしていたとき、私が「日本の歴史はまあせいぜい千七百年ほどですが・・・・。」と話したとたんに、「なにを言いますか。日本の歴史はすでに二…

大好きな鼓腹撃壌のお話

(家内とロダと散歩) 昨日は家庭集会で、ローマ書13章、黙示録13章から国にはふたつの顔があるということを学びました。二つの顔とは、「神のしもべ」としての顔と「悪魔の手下」としての顔です。 こんなことを学んだのは、最近、領土をめぐって東アジアのよ…

かつての大本営発表と今回のこと

昨日、東京からの帰りの新幹線で読んだ保坂正康『「昭和」とは何だったのか』から抜粋。昨年の福島第一原発事故後の政府と東電と東大の先生たちと大新聞とTVの報道と重なり合うことが多い。「ひとたび官製報道のみの情報管理の時代に入ったら、国民の悲劇は…

愛国心という歴史現象

自民党では安倍氏が次期総裁にかつがれそうな形勢であり、氏は維新の会との政策協力をすると主張しています。もちろん安倍氏は神戸製鋼出身の鉄鋼族で、原発ともベッタリ。もし安倍氏返り咲きとなると、今後、「愛国心」が訴えられることになるでしょう。愛…

非戦論から義戦論へ

ふたつの原爆投下記念日がすぎ、8月15日が迫っている。以前神学校の教会史のクラスで使った、木寺廉太『古代キリスト教と平和主義』(立教大学出版2004年)の概要をここに掲載しておく。 キリスト教が「体制内の宗教」と化するまでは、キリスト教はローマ帝国…

イスラエルの王国時代と現代日本と

フェイスブックで、こんなリストが回ってきた。多くの名はすでにこの世にいない人々の名であるが、原発業界とマスメディアの癒着を知るには十分である。どおりで、原発にかんする正確な情報に国民は触れることがむずかしいわけである。 本来的には、ジャーナ…

荊冠の王

マタイ27:11−31 マルコ10:42−452012年4月1日 受難週主日 小海 「27:11さて、イエスは総督の前に立たれた。すると総督はイエスに尋ねて言った、「あなたがユダヤ人の王であるか」。イエスは「そのとおりである」と言われた。 27:12しかし、祭司…

「荊冠のキリスト」理解の不十分さ

「キリストの仲保者としての働きを、預言者、祭司、王という三つの職務概念でとらえるという構想はカルヴァンが『綱要』で、初めて使った手法であ 」ると岡田稔師は言っている。ルター派神学では、祭司・王の二職とされ、祭司職のなかに預言職も含めてしまう…

狭き門の幸い・・・・スウェーデンの田舎の教会堂で思ったこと

もう何年も前、機会があってスウェーデンの田舎にある古いルター派の木造の教会堂を訪ねたことがある。堂内の正面には祭壇と十字架があり、その少し手前の左手高い位置に説教壇がくっついている。祭壇の右手は説教壇と対峙するかのようなボックス席があって…

バビロンでのダニエルの生き方(灰色問題その2)

宗教改革の神学に学ぶということは大切なことである。だが、宗教改革の時代の教会の置かれた社会状況と、今日、日本の教会の置かれている社会状況とはあまりにも大きく隔たっている。宗教改革の時代、ヨーロッパ世界はコンスタンティヌス帝以来の「キリスト…

日の丸・君が代と「偶像にささげられた肉」(灰色問題その1)

*日の丸・君が代問題を聖書に基づいて考えてみようと思います。この問題はきちんと扱わないと、教会は分断されるか、主に対して不忠実になるかというサタンの罠に陥る危険性があります。 古代教会において「偶像にささげられた肉」を食べることは偶像崇拝に…

キリストの王職の誤解について

昨晩、仕事から帰ってきた長男が食卓で、ふと「イエス様が復活なさって天に昇られるまでの間に関する聖書の記述はほんとに少ないね。」と話し出した。確かに、その通りである。復活のあと40日ほどイエス様は地上におられたようだが、以前のように(少なくと…

自衛隊であればこそ・・・・小林よしのり『国防論』、デーヴ・グロスマン『戦争における「人殺し」の心理学』

(小海駅のホームから、教会のこげ茶色のとんがり屋根が見えます。) 乗り継ぎの大宮駅の本屋で、小林よしのり『国防論』を見つけた。本書において、小林は今回の地震と津波による東北の被災地にあって、自衛隊がよい働きをしたことを賞賛している。そして、…

武器輸出三原則緩和?・・・憲法9条はメイドインジャパン

(書斎の窓から見える小海町の里山) 民主党の前原氏が米国に対して「武器輸出三原則」を緩和すると以前に表明していたが、それを受けて、盟友だという野田総理が公式に「武器輸出三原則緩和」を米国に伝える方向であると報道されている。要するに、日本企業…

石浜みかる『あの戦争のなかにぼくもいた』

教会のYNさんにご紹介いただいた本。作者石浜みかる氏の父とその家族の経験をもとに、戦前・戦中の出来事が描かれている物語である。 戦時下、歯科医をしながら伝道をしていた父親が、治安維持法違反の容疑で特高警察にひっぱられた。家に残されたのは母、祖…

高慢は滅びに先立つ

「ウジヤ王は神を認めることを教えたゼカリヤの存命中は、神を求めた。彼が主を求めていた間、神は彼を栄えさせた。・・・彼の名は遠くにまで鳴り響いた。・・・ しかし、彼が強くなると、彼の心は高ぶり、ついに身に滅びを招いた。彼は彼の神、主に対して不信…

政府がネット情報統制

伊那谷牧師のブログに「政府がネット情報統制」をするという記事が載っている。政府が原子力に関する不正確な情報が流れることを防止して風評被害を防止するのだそうである。なんともしらじらしい。原発がすでにメルトダウンしているという事実を隠蔽し、放…