苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

創造からバベル

創造からバベルまで・・・XXVII バベル  (最終回)

創世記10章はノアの子セム、ハム、ヤペテから出た諸民族の表です。次の11章バベルの事件は、民族がそのように分かれたことの原因譚であると理解されます。1 権力者の出現 悪を滅ぼすための大洪水が終わり、人類が再出発しようとするとき、神は悪を抑制し社…

創造からバベルまで・・・XXVI 権威と服従

大洪水で洗われ荒涼とした大地を見回して、ノアは「私たちは食べていけるのだろうか」とふと不安を抱いたかもしれません。ですが、「いや、ここまで生かしてくださった主が、私たちを飢えさせるようなことは決してなさらない」と信仰を奮い立たせました。主…

創造からバベルまで・・・XXV 契約(その2)

神は、最初アダムと創造の契約を結ばれましたが、人はこれを破ってしまい、死に脅かされながら生きるほかなくなりました。ひどく堕落した世界を神はいったん大洪水で滅ぼされましたが、その後ノアに対する平和の契約によって、今日までこの世界を保ってこら…

創造からバベルまで・・・XXIV 契約(その1)

1 虹―平和の契約のしるし 先日、雨上がりの佐久平の空に大きな虹を見ました。虹を見るたび「神様は平和の契約を結んでくださったんだ。」と特別な感慨を抱くことができるのは、聖書を知る人の特権です。「さらに神は仰せられた。『わたしとあなたがた、およ…

創造からバベルまで・・・XXIII 再出発―食物と国家

1 保持の約束 大洪水が去って、ついにノアと家族と動物たちが箱舟から出ました。一年と十日ぶりに見渡す世界は、荒涼としています。聖なる裁きが行なわれ、神に敵対する罪深い世界が文字通り一掃されてしまったことを思えば、粛然とした思いにされたノアと…

創造からバベルまで・・XXII 大洪水

1 大洪水の期間と規模 大洪水とノアの航海の期間は、ノアの生涯の600年目2月17日に始まり、601年目の2月27日ですから(8:14)、1年と10日間です。ただし当時の暦が一年365日であったか、360日であったか、はたまた別の日数であったかは不明です。 降雨は40…

創造からバベルまで・・・XXI 大審判前夜

「人の子が来るのは、ちょうど、ノアの日のようだからです。洪水前の日々は、ノアが箱舟に入るその日まで、人々は、飲んだり、食べたり、めとったり、とついだりしていました。そして、洪水が来てすべての物をさらってしまうまで、彼らはわからなかったので…

創造からバベルまで・・・XX アダムからノアへの系図

初めて聖書を手に取る人の多くは新約聖書を手に取るでしょう。さて、どんなことが書いてあるのか?とページを開いたとたん、高いハードルがあります。「アブラハムの子、ダビデの子イエス・キリストの系図」です。このハードルでひっかかったら、もう前に進め…

創造からバベルまで・・XIX 原罪と都市文明

1 原罪 エバはみごもって男の子を得たとき、喜びをもって「私は、主によってひとりの男子を得た」と言った。」とあります(創世記4:1)おそらく、エバは神が約束されたように「女の子孫」が蛇の頭を踏み砕くとおっしゃった約束がこの男の子によって成就され…

創造からバベルまで・・・XVIII 「俺流」の礼拝はだめ

「ある時期になって、カインは、地の作物から主へのささげ物を持って来たが、 アベルもまた彼の羊の初子の中から、それも最上のものを持って来た。主はアベルとそのささげ物とに目を留められた。」(創世記4:3,4新改訳)1 他の解釈カインとアベルの献げ物の…

創造からバベルまで・・・XVII ケルビムを取り除く方

1 ケルビム アダムとエバが神に反逆したので、ふたりはエデンの園から追放されることになりました。そして、だれも「いのちの木」に近づくことができないように、園の東側にケルビムが配置されたのです。 「こうして、神は人を追放して、いのちの木への道を…

創造からバベルまで・・・XVI 原福音とアダムの信仰告白

1 アダムの子孫 なにか罪を犯してしまったとき、「アダムがあんなふうに善悪の知識の木の実から取って食べなければ、私たち人類は悲惨なことにならなかったのに。」こんなふうにつぶやいたことのある読者がいるのではないでしょうか。 しかし、こんな言い訳…

創造からバベルまで・・・XV 全被造物の救い

1 犬は天国へ? 「少年は牧師のわきに立って、とても大事なことを尋ねた。 『もしイエス様にお願いしたら、犬も天国にいけますか?いい犬だったら?』 牧師はこどもを見下ろした。 『犬が?天国に?冗談じゃない。なんてくだらない質問をするんだ。神様はご…

創造からバベルまで・・・ⅩⅣ 働くこと:祝福と呪い

一時期「やりがい」という言葉が流行した。われわれは「やりがい」のある仕事をさがすべきであって、それがないならば転職を恐れるなという風潮がひろがった。しかし、小泉・竹中改革(=米国政府からの年次改革要望書の実施)によって労働者派遣法改正でワ…

創造からバベルまで・・・ⅩⅢ 結婚:祝福と限界

1 「生めよふえよ」 結婚の目的とはなんでしょうか。一つは、創世記第一章で神が最初の夫婦を祝福して「生めよ。ふえよ。」と言われたように子孫を増やすことです。それは、「地を従え」「海の魚、空の鳥、地をはうすべての生き物を支配」するため、世界に…

創造からバベルまで・・・XII 神の御顔を見る

1 エデンの園である大店(おおだな)の主人に頼まれて、庭師の熊さんは早朝から広壮な庭で、一日汗を流して働きます。一本一本の高木、低木を丁寧に、そして庭全体のなかでバランスよく、その季節にふさわしく刈り込んでいくのが庭師の仕事です。 さて涼し…

創造からバベルまで・・・ⅩⅠ 二人のアダム

1 アダムとイエス神は二人の代表者によって、人類をお取り扱いになります。ひとりは人類の始祖アダムであり、もうひとりはイエスです。そこでイエスを第二のアダムと呼ぶことがあります。この二人の代表者のいずれに属するかによって、その人の永遠の運命は…

創造からバベルまで・・・X 下剋上

1 からだの中で 「このようにして、ふたりの目は開かれ、それで彼らは自分たちが裸であることを知った。そこで、彼らはいちじくの葉をつづり合わせて、自分たちの腰のおおいを作った。」(創世3:7) 善悪の知識の木の実を食べたとき、アダムと妻は裸を恥じ…

創造からバベルまで・・・Ⅸ いちじくの葉と皮衣

1 いちじくの葉 「人間が他の動物と違う点はなんでしょうか?」と問えば、模範的読者は「それは人のみが神の像として造られたことであり、神の像とは知・義・聖です。」とお答えになるかもしれません。大正解です。でも、今回はもっと身近で目に見える人間…

創造からバベルまで・・・VIII 悪魔

1 もう一人の役者 世界観というと、神と人間と自然という三者の関係として説明されることが多いのですが、創世記第三章を見れば、もう一人の役者、蛇がいることに気づきます。創世記記者が「野の獣のうちでへびが・・・」と言っていることを見れば、爬虫類…

創造からバベルまで・・・Ⅶ 善悪の知識の木

昔、郷ひろみと樹木希林が「♪アダムとイブがりんごを食べてから・・・・♪」と歌う「林檎殺人事件」という曲がありました。男女の愛のもつれが事件の真相だということで「ああ、悲しいね。悲しいね。」と結ばれました。善悪の知識の木の実といえば、リンゴの…

創造からバベルまで・・・Ⅴ 二つの創造記事

1 キリスト教は環境破壊の元凶か? 「キリスト教文明は環境破壊をしてきた。キリスト教は、人間に自然界を支配する権利があると教えているからである。それに引き換え、自然宗教は人間は自然の一部であると教え、自然に対する畏敬を教える。環境問題の深刻…

創造からバベルまで・・・Ⅵ 食べること

1 草食のライオン 神は動物と人間を造ると、すぐに食べ物の心配をしてくださいました。「見よ。わたしは、全地の上にあって、種を持つすべての草と、種を持って実を結ぶすべての木をあなたがたに与える。それがあなたがたの食物となる。また、地のすべての…

創造からバベルまで・・・Ⅳ 神のかたちと三重職

1 人は御子のかたち(1)人の尊厳の根拠 人間とは何でしょうか。古代の哲学者は「人間とは理性的動物である」あるいは「社会的動物である」と言い、近代の進化論者は、「進化の頂点に立つ高等動物だ」と言いました。今後、もし遺伝子をコントロールして子…

創造からバベルまで・・・Ⅲ「時」と人生

エッサイの株から一つの芽が出、 その根から一つの若枝が生えて実を結び、 その上に主の霊がとどまる。 ・・・・・ おおかみは小羊と共にやどり、 ひょうは子やぎと共に伏し、 子牛、若獅子、肥えたる家畜は共にいて、 小さいわらべに導かれ、 雌牛と熊とは…

創造からバベルまで・・・Ⅱ 聖三位一体 

(本稿は、創世記1章から11章に啓示されているいくつかの主題をとりあげ、聖書全体の文脈のなかでその主題について思い巡らし、私たちが少しでも神を愛することに益するようにと書かれた「創造からバベルまで」の一部です。) 1 聖書における三位一体の…

創造からバベルまで  I ―創世記1章から11章−

はじめに 休刊になった「恵みの雨」(新生宣教団)2008年から2010年に掲載された原稿に加筆修正しながら、ブログにしばらく連載して行こうと思います。 本稿は、創世記1章から11章に啓示されているいくつかの主題をとりあげ、聖書全体の文脈のなかでその主…