苫小牧福音教会 水草牧師のメモ

聖書というメガネで、神が造られた世界と人間とその歴史を見てみたら、という意識で書いたメモです。

ことば

「存じ上げません」?

シリーズでもありませんが、気になる妙な日本語。安倍派の塩谷さんは、裏金問題の件で政治倫理審査会に引っ張り出されて、「(裏金問題の経緯については)存じ上げません」と何度も言って、新聞の見出しになっていましたが、なんか変だな、気持ち悪いなあと…

「姑息」

ここ数年という感じがするのだが、「姑息な」ということばを、「卑怯な」と同義語のようにして用いている文章をしばしば目にする。「姑息な」というのは本来「間に合わせの」「付け焼刃の」という意味であって、「卑怯な」という意味ではない。でも、十人中…

「いまだに」の誤用

ときどき、「今だに・・・・」という文字遣いを見ることがある。「いまだに」を漢字で書くならば「未だに」である。 また、「未」という文字は漢文で再読文字で、「いまだ・・・ず(打消し)」と読むことになっている。つまり、「まだ・・・ではない」という…

あずかる

「あずかる」ということばがある。何か物や金銭を託されることを意味する場合は、「預る」という字を用いる。だが、かかわりを持つという意味の場合は「与る」という文字を用いる。「関与する」という意味である。だが、最近しばしば関りを持つという意味で…

おいしいです

むかしから気になっている現代日本語の表現は、「おいしいです」とか「うれしいです」という表現である。つまり、「形容詞+です」という表現。「きれいです」とか「ほんとうです」には違和感はない。それ自体で形容動詞であるからだ。「です」という助動詞…

苫小牧の館、宮殿、城

町をウロウロ福音散歩していると、いろんな名称の共同住宅を見かけます。メゾンはフランス語maison,ハイムはドイツ語Heim、カーサはスペイン語casaは、いずれも家ですから、実態とあっています。コーポはcooperative houseから作られた和製英語だそうで、ま…

ChatGTPとの対話

chatGTPというネット上の無料AIが話題になっていたので、開いてみました。普通の質問ではスタンダードな答えが出てくるので、少し意地悪ですが、むずかしいであろう「木蓮の涙」という歌に出てくる「嘘つき」という言葉のニュアンスについて話をしてみました…

高慢

高慢な人はただ膨れ上がっているだけで、成長はしていない。いずれ破裂する。 どこかで聞いたことば。

テサロニケ人は「てさろにけじん」?

ある知人が、新改訳聖書の翻訳にかかわったある学者先生から、「日本人を『にほんびと』とか、アメリカ人を『あめりかびと』と読まないでしょう。だから『ローマ人』は『ろーまびと』でなく『ろーまじん』と読むように。」と指導されたことがあるという話を…

病みつつも

病みつつも御手の中なるわが命 もみぢ一葉 梢に残る 今井百合子 札幌の今井百合子姉から、短歌の欄で特選にとっていただいたということで『百万人の福音』3月号が送られてきました。百合子姉はかつて苫小牧の教会のメンバーでしたが、脊椎の病を患われてから…

人生の教材

人生には学ぶべき教材が、ごろごろところがっている。学校を出ていないということもまた、一つの教材である。貧しいことも、体の弱いことも、失敗も失恋も、人との不和も、そしてまた、順境も逆境も、学ぼうと思えば、すべてが教材なのである。朝起きた瞬間…

「はじめに、ことばがおられた」

岩波版新約聖書でヨハネ福音書1章1節を小林稔氏は「はじめに、ことばがいた」と訳した。これに対してはずいぶんと批判もあったそうである。小林氏の意図するところは、ことば(ロゴス)が単なるストア哲学がいうような原理といったモノでなく、生命ある人格…

クラスターだオーバーシュートだ

クラスターとかオーバーシュートとかカタカナ英語が報道に踊っていて醜い。カタカナ英語は、日本人もわからないし、英語国民もわからない、単なる業界の隠語にすぎない。集団感染、爆発的感染といえばよいだけのこと。英語の堪能な外務大臣が指摘してくれて…

私たちの働きは

大先輩S牧師のことば。心に残ったので備忘録として。 私達の働きは、「何かしたと思っていたら何もしていなかった」「何もしなかったと思ったら大きなことをしていた」ということかもしれないですね。 マタイ25章の王のさばきを思い起こしました。

「姑息」の誤用

非常に多くの人たちが誤用していることばとして「姑息(こそく)」があります。どうも書いている人は「姑息」を「卑怯」という意味だと思い込んでいるようです。実際には、「姑息」とは「まにあわせ」という意味です。

「ナイーブな人」の誤用

どういうわけか、さまざまな文章の中や会話の中で、「ナイーブな人」というのが、どうも「繊細な人」という意味で用いられているようです。けれども、「繊細な人」ならば、「デリケートな人」です。「ナイーブな人」とは正しくは「素朴な人」「うぶな人」「…

作文教室ノート 第三章 小論文の具体的対策

序 10年ほど前に信州で行っていた中学生のために作文教室ノートの第三章です。 高校受験で、小論文が課せられることがある。その場で、例えば「環境問題についてどう考えるか?」「インターネットについて」などといった課題がいきなり出されて、30分や1時間…

作文教室ノート  第二章 意見文の書き方

1.意見文は、ある事柄にかんする自分の主張を、読者の頭と心に伝えることを目的としている。したがって、書き手は、まずある事柄について自分の明確な意見を持たなければならない。自分が伝えたい事柄がはっきりしていなければ、伝えることはできない。 2…

作文教室のノート 第一章 物語作文

もう10年も前、中学生たちを相手に作文教室をしていたことがありました。教会のメンバーのS兄が奨めてくれて始めたことです。作文教室で意図したことは、基礎学力の養成です。 一つは人はことばを用いて考えますから、ことばを筋道立てて用いることが出来る…

現代日本語のかな表記について

現代のかな表記はじつにでたらめで困ってしまう。たとえば、「講師」「公使」「孔子」「行使」は「こうし」とルビをふりながら「コオシ」と読ませるのに、「子牛」は同じように「こうし」とルビをふりながら「コウシ」と読ませるという矛盾がある。表音化を…